先日、所用があり静岡県の伊東市に行ってきました。用事も一日で済んだので、翌日は前々から行ってみたかった河津桜で有名な河津町にある「大滝(おおだる)温泉」へ向かいました。大滝温泉は映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地としても有名なところで、伊豆最大級の滝である「大滝(落差30ⅿ・幅7m)」のミストを露天風呂に浸かりながら全身で浴びることができる温泉です。お風呂は7つ、洞窟風呂(全長30m)や洞穴の湯などユニークなものもあり、全て水着着用で入浴します。
私が行った日は平日だったので観光客も少なめで(ほぼ全員インバウンド)、ゆっくりのんびりと温泉を楽しむことができました。
実は、私は温泉が特に好きなわけではなく、湯船に5分か10分浸かれば十分という程度です。しかしながら大滝温泉は違いました。お風呂というよりは正に「アトラクション」。立派な滝は勿論のこと、露天風呂の直ぐ横を流れるきれいな河津川や形も温度も違う7つのお風呂、新緑や鳥のさえずり、滝のミスト、様々な国からきている外国人など、多彩なファクターが私を飽きさせませんでした。そして気が付けば90分以上とどまっていました。
通常、「温泉に入る価値」は「温まる」「湯質を楽しむ」「癒される」といった「単一の価値」ですが、大滝温泉は「価値の襷(たすき)掛け」をしていることに気がつきました。だからこそ長い時間、アトラクションの如く楽しめるのだと思いました。
「価値の襷掛け」とは、「単一の価値」を襷掛けしていく「価値の集合体」をいいます(付加価値付け)。大滝温泉の襷は、①7つのそれぞれ違う露天風呂②大滝③滝からのミスト④河津川のせせらぎ⑤新緑⑥鳥のさえずり⑦インバウンドの人たち⑧レトロな雰囲気…など価値の集合体が存在します。
大滝温泉を例に顧客が支払う価値への対価を考えてみました。
■大滝温泉入浴料2,000円÷8つの襷=250円(1提供価値に対する対価)
■△△温泉入浴料1,200円÷2つの襷=600円( 〃 )
つまり、料金に対して襷の数を増やし1提供価値に対する対価を下げ、同時に客単価(入浴料)を上げる、そうすることが顧客満足と提供側の収益向上という双方を実現させる唯一の方法だと思います。
■〇〇温泉入浴料2,400円÷12の襷=200円(1提供価値に対する対価)
要するに「値上げ」が悪いのではなく、価値を上げずに(襷が少ないままで)値上げをすることで顧客の支払う対価が増えてしまうということが客離れを引き起こす要因だと思います。
今まさに値上げオンパレードの時代ですが、価格や料金の改定と同時にサービスや製品の価値を「正しく」上げて、顧客が支払う1提供価値に対する対価を下げることができるとしたら何も怖くはないのではないでしょうか。
そう考えると、東京ディズニーリゾートやユニバーサルスタジオジャパン、エスコンフィールドHOKKAIDOや東大病院、行列のできるお店や売場などは襷が多そうです。
こんなことを考えつつ、大滝温泉で湯船に浸かっているのは私くらいかも知れません(笑)
※原価や人件費の上昇などにより値上げせざるを得ない場合もありますが、ここでいう「値上げ」は、あくまでも顧客満足と事業者の収益向上の双方を戦略的に実現することを目的とした「値上げ」を指します。
【大滝温泉の画像】
この画像からだけでも「襷」の多さが伺い知れます。滝・川・数種類の露天風呂・新緑・青空など…
